公正証書で慰謝料請求

離婚の理由は夫婦それぞれ色々ありますが、その中で多いが「不倫」による離婚。

不倫を理由に離婚する場合、被害を受けた側は加害者である二人(配偶者の一方と不倫相手)に慰謝料を請求できます。

そもそも慰謝料って何?

離婚時の「慰謝料」の意味は、離婚することで精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。すこし難しい表現ですが、「精神的苦痛を慰謝するための損害賠償である」ともいえます。もっとザックリ言えば、精神的に(気持ちの上で)苦痛(嫌な気持ち)になって、損害を受けたから、その苦痛を受けた代償として慰謝料を支払ってください・・・という意味ですね。

【例】旦那さんが会社の同僚と浮気(肉体関係有り)をして、奥さんにばれ、奥さんが精神的苦痛(嫌な気持ち)になりました。この場合、奥さんは、旦那さんと旦那さんの浮気相手に「慰謝料(苦痛の代償)」を請求することができます。

で、この慰謝料を請求するときの請求方法は原則どんな方法でもOKです。主な請求方法は、下記の2つですが、それぞれメリット、デメリットがあります。

  メリット デメリット
書面で請求

・主張した内容が書面で残り、主張した内容が明確に残る

・主張したい内容を書面で送ることで、加害者に本気度(精神的圧迫)を示すことができる。

・口頭での主張ではないので、相手の主張(言い分)を知るまで時間がかかる。

・相手(加害者側)が、責任逃れ(言い訳)を考える時間を与えてしまう。

口頭(電話) 瞬時に自分の主張、加害者の言い分が聞くことができる。 書面ではないため、後々、「言った言わない」の争いになる可能性が高い

書面で請求する場合

書面で請求する場合、いくつかの種類がありますが、後々のトラブル防止で最善の方法が「公正証書」による慰謝料請求です。ではその公正証書について説明します。

 

公正証書はどこでつくるの?

公正証書は、「公証役場という場所」で「法律の専門家である公証人の立ち合いのもと」作成する書面です。

ザックリ言えば、公証役場は全国に約300箇所あり、公証人(法律の専門家)が立ち会って書面を作成する場所です。公証人は、裁判官・検察官・弁護士を長年務めた法律に詳しい人たちの中から法務大臣によって任命されます。

不倫による慰謝料請求も公正証書で作成が可能です。簡単にまとめると、不倫の加害者に対する慰謝料を法律の専門家(公証人)を交えて公証役場で作成するということです。

 

公正証書で作成するデメリット、メリット

デメリット

公正証書を作成する場合、費用がかかります。主な費用は…

〇 公証人への報酬(報酬の費用は目的とする財産の価額によって決まります。)

※参照

・100万円以下 5000円
・100万円を超え200万円以下 7000円
・200万円を超え500万円以下 11000円
・500万円を超え1000万円以下 17000円
・1000万円を超え3000万円以下 23000円
・3000万円を超え5000万円以下 29000円
・5000万円を超え1億円以下 43000円

〇 何らかの専門家を交えて公証人と書面作成する場合、その専門家への報酬(弁護士、司法書士、行政書士等)

 

メリット

1、高い証拠力があります

公正証書で作成しなくても一般的に、契約自体は当事者同士で作成しますが、当事者同士で作成した場合「こんな書類見たことがない」、「偽造だ」、「これはこんな趣旨で作ったのではない」といった言い争いが起こる可能性があります。

しかし、公正証書で作成した場合、公証役場で公証人が関与した書面のため、契約後の言い争いできません。実際、公正証書を作成する時は、書面を公証人の面前で読み上げられ、意思確認もしっかりとされます。

 

2 判決と同じ力がある

当事者間の契約による争いの場合、その契約書事態が有効か無効か裁判で審査され費用、時間がかかります。しかし、公正証書で作成された書面は、証拠力があり裁判での審査、費用が不要となります。仮に公正証書の書面で裁判で争いとなっても、しっかりとした証拠として扱われます。

 

3 安全である(紛失の危険性が低い)

当事者同士で契約書を作成した場合、専門家に相談していないと、契約書の内容自体が法律に違反した内容になってしまうこともあります。しかし、公正証書を作成する場合は、公証人が内容が法律等に違反していないかを事前にチェックするため、作成された公正証書が法律に違反しているということはほとんどありません。

また、公正証書は、原本(契約書そのもの)を公証役場で原則20年間保管します。そのため、公正証書の控えを紛失した場合でも、その写しをいつでも再発行してくれます。その意味で、安全と言えます。


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代表: 吉田 貴之